車の下取りは名義がディーラーでも可能?家族や知人名義は?
車検証の所有者を確認すると自分名義でない場合、そのままの名義で車を下取りに出せるか心配になりますよね。
実際に下取りに出して新車を購入しようとしている人の中には、車の名義が自分でない場合に、以下の様な悩みを抱えているようです。
● 「ディーラー名義の車は自分名義にしないと下取りできないかな」
● 「親名義の車はそのままの名義で下取りに出せるの?」
● 「ディーラーローンの支払いが途中の場合はどうしたらいいんだろう・・・」
このような方のために、当記事では他人名義(ディーラー、親、家族、知人)の車を下取りに出す方法に関してまとめました。
下取りの手続きで手間取ることがないように、是非参考にしてみてください。
ディーラー名義の車の下取り
車を買い替える際に下取りに出す車の車検証を見ると、車の使用者は自分になっているのに、所有者はディーラーになっている場合があります。
なぜ所有者がディーラーになっているのか?所有者が自分になっていない場合でも、車を下取りに出す事が出来るのか?
車の所有者がディーラー名義の場合の車の下取りについて、分かりやすく説明していきます。
ディーラー名義になっている理由
所有者がディーラーになっている場合の理由として考えられるのは、車を購入する時にローンを組んで購入している場合です。
ローンで車を購入して、もし途中でローンが返せなくなってしまった場合は、ディーラーがその車を売却してローンの未返済分を回収する事が出来るように、所有者をディーラー名義にしています。
これを、所有権留保と言います。つまり、ローンの返済がすべて終わるまでは自分の車ではないので、勝手に売却出来ないようになっているのです。
また、ローンをすべて完済している場合でも、所有者の名義を変更していなければ、そのままディーラーの名義になっています。
名義を変更するためには、「所有権留保の解除」の手続きが必要になってきます。
もう一つ考えられる理由として、車を購入する時に使用者が20歳以下であった場合です。
20歳以下では普通自動車の所有者になれないため、所有者が親やディーラーになっている場合があります。
ですが、ローンで購入していない場合は、親の同意書があれば未成年でも所有者になる事が出来ますので、車を下取りに出す事も可能です。
ディーラー名義のまま下取りできる?
車の所有者が自分ではなく、ディーラーの名義になっている場合は、所有権留保の状態ですのでそのまま下取りに出す事は出来ません。
下取りに出すためには「所有権留保の解除」の手続きを行い、その車の名義を自分に変更する事が必要です。
下取りに出す車のローンをすでに完済している状態であれば、すぐに所有権留保の解除をする事が可能です。
所有権留保の解除の手続きをするには、2通りの方法があります。それぞれの手続き方法と必要書類について詳しくご説明します。
所有権留保解除の手続きを自分でする場合
所有権留保解除の手続きを自分ですれば、かかる費用は必要書類の発行手数料のみで済みます。
手続きの流れ
- ディーラーに所有権解除依頼の連絡をする
- ローン完済の確認が終われば、所有権解除に必要な書類の説明を受ける
- 必要書類をディーラーに送る
- ディーラーから所有権解除に必要な書類を受け取る
- 管轄の陸運支局で所有権解除手続きを行う
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(譲渡書類一式または所有権解除書類の引換書)
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(名義変更手続き)
所有権解除書類については、ネット上で各ディーラーのWEBページからダウンロードできる場合も多いようです。
ディーラーに送る必要書類についても詳しく記載してあります。
≪出典:大阪トヨタ≫
所有権留保解除の手続きに必要な書類
ディーラーに自分から郵送する書類 | 所有権留保解除依頼書・印鑑登録証・車検証・ローン完済証明書・自動車納税証明書・返信用封筒など |
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陸運支局で必要な書類 |
譲渡書類一式(譲渡証明書・委任状・印鑑証明書)または、所有権解除書類の引換書など |
陸運支局で必要な書類 |
印鑑証明書・車検証・実印 |
当日陸運局で入手するもの | 申請書(OCRシート1号様式)・手数料納付書 |
※各ディーラーによって必要書類が異なるため、事前にきちんと確認することをオススメします。
所有権留保解除の手続きをディーラーに代行してもらう場合
所有権留保解除の手続きは、必要書類を準備し提出すればディーラー側でやってもらう事も可能です。
ディーラーに提出する書類
● 所有権解除依頼書
● 本人確認書類(免許証コピーまたは印鑑証明書(発行3ヵ月以内のもの)など)
● 車検証コピー
● 納税証明書コピー(軽自動車は不要)
● 完済証明書コピー
● 住民票・戸籍謄本(車検証と現住所・氏名が異なる場合)
※こちらも各ディーラーによって必要書類が異なるため、事前に確認して下さい。
また、行政書士に代行を依頼する事も可能です。
所有権留保解除の手続きの代行手数料
ディーラーなど自動車販売店 | 5,000円〜10,000円程度 |
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行政書士 | 10,000円〜15,000円程度 |
ディーラーによっては、サービスで無料で行ってくれるところもあるようなので、手数料についても一度確認してみて下さい。
無料で代行してもらえるのなら、自分で手続きする手間も省けるのでその方が良いですよね。
ローンを支払中の場合はどうしたらいい?
ローンを完済しているのであれば、所有権留保解除の手続きはすぐに行う事が出来ますが、ローンがまだ残っているという状況ならそのまま手続きをする事は出来ません。
残りのローンを返済できるのなら、すべて返済してしまうのが一番ですが、手元にお金が無いという場合もあるかと思います。
ローンを完済できない場合の対処法として、下取りに出す車の査定額で残債額を完済する方法と、下取り先の「上乗せローン(プラスローン)」や「ローン返済サービス」を利用するという方法があります。
ただし、この「上乗せローン(プラスローン)」・「ローン返済サービス」は対応していない所もありますので事前に確認する事が必要です。
下取りに出す車の査定額で残債額を完済する方法
下取りに出す車の査定額がローンの残債額を上回る場合は、その下取り額分でローンを完済する事ができます。
ローンを完済すれば所有権解除が出来ますので、所有者がディーラー名義の場合は、名義変更した後で車を売却するという形になります。
上乗せローン(プラスローン)を利用する
ローンの残債額が下取り査定額を上回ってしまう場合は、ローンを完済する事が出来ませんよね。
足りない金額分を現金で払う事が出来ればいいですが、すぐには難しいという場合にこの「上乗せローン」というサービスを利用します。
上乗せローンサービスとは、ローンの残債分と新しく購入する車の代金を、ひとまとめにしてローンを組むという方法です。
ローン返済サービスを利用する
ローン返済サービスとは、車買取業者が車の売却金額からローン残債を一括返済してくれるサービスです。
こちらはディーラーなどへの下取りではなく、まず車の売却だけをする場合に車買取店で利用できるサービスです。
ローン残債が売却額を上回った場合に、買取業者が一旦ローン残債分を全額ディーラーなどに支払い、新たにその買取業者でローンを組んでもらうというサービスです。
上記のようなサービスを利用すれば、ローンが残っていても車を売却し名義を自分に移す事も可能です。
しかし上乗せローンなどを利用すると、「新車+古い車」分のローンを支払う事になり、今までよりも月々の支払いが厳しくなる事が考えられますので、その点もしっかりと頭に入れておきましょう。
家族名義の車の下取り
車を購入する時に未成年だったため、車の名義が親の名義になっていたり、家族の代理で車の売却をしなければいけない場合などもあります。
所有者が家族名義になっている車を下取りに出す事は出来るのか?続いては、家族名義の車の下取りについて詳しくご説明していきます。
家族名義のまま下取りできる?
基本的に自分名義ではない車を勝手に下取りに出したり、売却する事は出来ません。自分の名義にしてから下取りや売却をする必要があります。
しかし、親や親族などの近しい人が所有者の場合は、名義変更をせずに下取りに出せるケースもあります。
車の所有者本人の同意があれば、必要書類を提出すれば家族名義のまま車を下取りに出す事が可能です。
その場合には以下の書類が必要です。
家族名義の車を下取りに出す為の書類
● 所有者の印鑑登録証明書(発行から3か月以内のもの)
● 委任状(実印による押印が必要)
● 譲渡証明書(実印による押印が必要)
● 車検証(原本)
上記の書類が揃っていれば、一般的には契約時に所有者(家族名義)の人に同席してもらう必要はないでしょう。
ただ、ディーラーによっては所有者の同席や同意書の提出を求められる場合もあるようです。
所有者が亡くなっている場合はどうしたらいい?
車の所有者である家族が亡くなっている場合、車は財産となるので財産を相続する人が、車を売却するなどの権利を持っている事になります。
ですから、まずは亡くなった人から親族へ所有権を移し(遺産相続)、次に親族から自分へ名義変更するという形になります。
相続人が1人ならまだいいですが、相続人が複数である場合は更に手続きも面倒になり、必要な書類も多くなります。
相続人が複数の場合は、代表相続人を決める必要があり、代表相続人と相続人全員に必要な書類があります。
手続きに必要な書類
代表相続人が必要な書類 | 戸籍謄本・印鑑登録証明書・委任状・譲渡証明書 |
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相続人全員が必要な書類 | 印鑑登録証明書・委任状・遺産分割協議書 |
その他に必要な書類 | 亡くなった名義人の除籍謄本・親族の住民票など |
上記の書類に加えて、名義変更に必要な書類を揃える事になります。
相続の手続きなどもありますので、詳しくは弁護士などの専門家や、運輸支局などに問い合わせて確認する方がいいでしょう。
知人名義の車の下取り
下取りに出す車が、もともと知人から売ってもらった車であったり譲り受けた車であった場合に、そのまま名義人が知人になっている事もありますよね。
親や兄弟など親族とは違って、他人名義になっている車でも下取りに出す事は出来るのか?知人名義の車の下取りについてご説明します。
知人名義のまま下取りできる?
車の所有者が家族以外の知人になっている場合は、自分の名義に変更してから下取りに出す必要があります。
名義変更の手続きは、ディーラーで代行してもらう方法と自分で手続きを行う方法があります。
手続きをディーラーに代行してもらう場合
必要な書類を揃えてディーラーに提出すれば、後はすべてディーラー側で手続きを完了してもらえます。
名義変更の手続きに必要な書類
● 車検証
● 譲渡証明書
● 旧所有者の印鑑証明
● 新所有者の印鑑証明
● 旧所有者の委任状
● 新所有者の委任状
● 新所有者の車庫証明
※車検証の住所や氏名に変更がある場合は住民票や戸籍謄本なども必要になってきます。
ディーラーに代行してもらう方法では、手続きに必要な費用とは別に、代行手数料として約10,000円〜30,000円程度の費用がかかる場合もあります。
ディーラーによっても異なりますので、代行を依頼する場合は事前に確認してみて下さいね。
自分で手続きをする場合
自分で手続きをする場合は、管轄の運輸支局で手続きをする必要があります。
手続きの流れ
- 名義人である知人に書類を準備してもらう
- 自分が必要な書類を揃える
- 必要書類を持って管轄の運輸支局(陸運局)で手続きをする
- 名義変更完了
- 車を下取りに出す
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名義変更の手続きに必要な書類
● 車検証
● 譲渡証明書
● 旧所有者の印鑑証明
● 新所有者の印鑑証明
● 旧所有者の委任状
● 新所有者の委任状
● 新所有者の車庫証明
当日運輸支局で入手する書類
● 申請書
● 手数料納付書
● 自動車税・自動車取得税申告書
手続きに必要な費用は、移転登録手数料や書類の発行手数料など、合わせて5,000円程度が目安です。
名義変更の手続きを代行してもらうと、時間も手間もかからず楽に名義変更をする事が出来ますが、少しでも出費を抑えたい方は自分で手続きをする方が良いでしょう。
車の名義変更に関して以下のページで詳しく説明していますので、こちらも参考にして頂ければと思います。
※詳しくはこちら!
車の名義変更の際には色々な書類の提出や手続きが必要になります。こちらのカテゴリには、分かり易く、項目別に記事を作成し、それぞれについてまとめましたので、分からない部分から体系的に読み進めて頂く事が出来ます。今後車の名義変更の予定があると言う方は、是非お気に入りに入れて頂き、参考にしてもらえればと思います。
今回は自分名義でない車を下取りに出す事が出来るのか?について、詳しい情報をお届けしてきました。
車の所有者が自分でない場合でも、ちゃんと手続きをすれば車を下取りに出す事は可能です。
自分名義ではない事が分かると、手続きが面倒なのでは?と不安になりますが、事前に手続き方法を知っておく事でスムーズに行う事が出来ます。
少し費用はかかりますが、時間もなく手続きが面倒な場合は、下取り先の販売店に頼むのも良いかと思います。
次の車の購入が前提の下取りなら、販売店側もある程度サービスしてくれるかもしれませんね。