ぶつからない車でもぶつける事はある?ぶつかった体験談は?
事故のない社会をめざして、各自動車メーカーは俗に言う「ぶつからない車」のさらなる技術開発に余念がありません。
事故の心配が限りなくゼロに近づくようなそうした技術には、いちドライバーとしては注目せずにはいられませんよね。
そんなぶつからない車に対しては、以下の様な疑問が出てくることもあるのではないでしょうか。
● 「ぶつからない車ってどういう仕組みなんだろう?」
● 「ぶつからない車でも、ぶつける可能性はある?」
● 「ぶつからない車でぶつかったら、責任はどうなる?」
そこで今回は、こうした疑問を解消していただける情報をまとめていきます。
ぶつからない車に興味があるという方は、是非チェックしてみてくださいね。
ぶつからない車の仕組みと今
ぶつからない車には、どういった仕組みが組み込まれているのでしょうか?
また、今技術はどう進歩しているのでしょうか?
ぶつからない車(衝突回避)の仕組みは?
進行方向に障害物があったり車間距離が縮まったりして事故の危険が高まったとき、それを車が感知し、ドライバーに知らせる。
↓
その際にドライバーがハンドル操作を行わない場合は、車がブレーキを操作して減速をする。
↓
そうすることによって衝突被害の低減や回避を実現することができます。
こうした仕組みを搭載した車は俗に「ぶつからない車」などと言われます。
このぶつからない車で重要となるのが、以下の様な危険を察知するため「センサー」です。
ステレオカメラ
人間の目のような働きをするセンサーで前方の障害物(歩行者含む)を検知できます。
ただ天候によって作動しない場合があり、察知可能な距離もあまり長くありません。
ミリ波レーダー
100m先までの障害物も検知できるのが特長です。ただ歩行者は認識できませんし、コストは高めです。
赤外線レーザー
30m程度の距離であれば障害物を検知でき、コストは安めです。ただ歩行者は検知できません。
このように、各センサーごとで特徴は異なります。
このセンサーの違いが、各メーカーの衝突回避システムの違いのひとつになってきます。
ただもちろん、センサーの性能も年々上がっていきますので、上記の特徴もそれに応じて変わっていく可能性があります。
ぶつからない車って今後どうなる?新しい技術は?
「ぶつからない車」という言葉を広める存在となったのがスバルの「アイサイト」。
スバルは、こうしたシステムの開発を何と1989年から始めていたといいます。
そんなアイサイトが世に出たのは2008年と、2017年現在からするとすでに10年近く前の話になります。
アイサイトの「ぶつからないクルマ?」というキャッチフレーズもインパクトがあり、衝突回避システムの普及の大きな要因となりました。
さて、最新のアイサイトでは「ツーリングアシスト」という形でさらなる進化を遂げています。
全車速追従の車速域
0km/h〜約100km/h ⇒ 0km/h〜約120km/h に
車線中央維持機能
60km/h以上で作動 ⇒ 0km/hから作動
ステレオカメラの進化
アイサイトver.3からは色の認識もできるようになり、信号などの検知も可能になった。
それがツーリングアシストへの進化で、ステレオカメラの機能もさらに進化した。
高速走行の際に、前を走っている車と区画線との情報を検知し、制御することが可能になった。
ぶつからない車でぶつけた事がある人はいるの?
「ぶつからない車」という言葉からは、「事故になりそうになってもブレーキがかかってぶつからない」という状態をイメージしますよね。
ですが実際のところ、そういった車でぶつかったことがある人はいるものなのでしょうか?
衝突回避機能がついた車でぶつけた体験談を調査!
いろいろと調査してみましたが、「ぶつからない車でぶつけた」という体験談は今回は見つかりませんでした。
ただぶつからない車といわれる車であっても、どんな条件でも衝突被害の軽減や回避ができるわけではないですから、中にはそういった車での事故もあります。
衝突回避システムが作動しない条件での危険があっても、ドライバーの判断でそれを回避できれば事故につながりませんが、ドライバーがそれをしないと事故が起きてしまいます。
「ぶつからない車でぶつける」という事故の背景には、それが原因として隠れていることがあると考えられます。
ぶつからない車で事故が起きた場合、メーカーの責任は?
ぶつからない車で事故が起きた場合、その被害者はドライバーとメーカーの両方に責任追及をすることできる可能性があります。
また、衝突回避システムの誤作動によりブレーキをかけるところでないのにブレーキがかかってしまい、それが事故の原因となった場合、メーカー側には製造物責任法による責任が問われる形となる可能性があります。
なお、そのような事故でブレーキがかかってしまった車に追突してしまった加害者側も、メーカーに対して損害賠償請求ができると考えられます。
しかし事前に誤作動を認めていながら運転を続けていた場合、被害者側に過失が生じる余地はあります。
このように、ぶつからない車での事故においては責任の所在についていろいろな考え方ができます。
これは衝突回避システムのない車同士での事故でも同じ事ですが、ぶつからない車、つまり自動運転車の進化によって、今後事故が起きた際のメーカー側の法的責任は広がり、その責任はさらに重くなる可能性があります。
例えば、ドライバーが運転に関与しない完全自動運転車での事故においてドライバーには操作責任を問えない状況下では、メーカーだけでなく、システム開発に関わるさまざまな組織が責任追及の対象になりえます。
ただ完全自動運転車での事故は、いかなる場合でもドライバーは責任を負わないとは考えられていません。
ですから完全自動運転が実現した社会でも、ドライバーは安全運転への意識を常に持つことが大切になってくるといえます。
さて今回は、話題の「ぶつからない車」について掘り下げた内容をお届けしてきました。
ご覧のように、ぶつからない車とはいえ事故の可能性がゼロになるわけではありません。
しかし、衝突回避システムを搭載した車では事故が6割減ったというようなデータも報告されているように、そのシステムが事故リスクの低減のつながっていることは事実です。
それを受け、ついに2018年1月1日から「自動ブレーキ割引」がスタートする予定です。
衝突回避システムの搭載車を購入予定の場合は、この割引制度にも注目していきたいですね。