廃車された下取り車はその後どうなる?!愛車の行方と追跡方法
車の買い替えを検討する際には、今所有している愛車を手放す事になります。
比較的新しい車の場合は買い取ってもらえますが、古い車の場合は、下取り車としての価値は低く、廃車として扱われてしまう事も少なくありません。
そんな「下取りで値段が付かず、廃車として引き取られた車」は、その後どこに行ってどの様に扱われるのか?について今回はまとめてみました。
※廃車寸前の古い車でも下取りは可能?得する愛車の手放し方はこちら!
古い車の下取りに関してまとめました。意外にしらない廃車や買取の真実、古い車を下取りに出すメリットなどを紹介しています。これから年式の古い車やボロボロの車を下取りに出す予定なら、是非一度目を通しておいてくださいね。
廃車として引き取られた下取り車の3つの行方
廃車として引き取られた車は、スクラップ(解体)するというイメージを持つ方も多いようですが、実は廃車にも複数の種類があります。
廃車とは自動車の登録を抹消する事を言いますが、その手続き方法の違いによって、車のその後の行方も変わってきます。
廃車の手続きには、大きく分けて永久抹消登録と一時抹消登録の2つの方法があります。
手続き方法の違いで、廃車になった車がどのようになるのか詳しく説明させて頂きます。
1.そのままディーラー、または中古車販売店が本当に廃車にする
下取りに出した車に利用価値が無い場合は、ディーラーや販売店が解体業者に持ち込み、スクラップ(解体)されます。
この場合の廃車の手続きは、永久抹消登録になり、本当の意味での廃車となります。
永久抹消登録とは?
永久抹消登録とは、車籍を永久に抹消し、その車には二度と乗れない状態にする手続きです。
手続きには、解体した事実を証明しなければならないので、解体証明書が必要になります。
永久抹消登録は、解体証明書と車検証・ナンバープレートなどの必要な書類を持参し、運輸支局で手続きを行います。
手続きは以下のような流れで進められます。
- 運輸支局で用紙の入手・作成
- ナンバープレートの返却
- 運輸支局窓口に必要書類を提出
- 運輸支局内の税申告窓口に自動車税・自動車取得税申告書を提出
- 永久抹消登録完了(廃車)
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永久抹消登録で廃車となった車は、法律で定められている自動車リサイクル法により、使用できる部品は再利用され、その他はアルミや鉄などの資源としてリサイクルされます。
自動車リサイクル法
≪出典:経済産業省≫
このように、ディーラーや中古車販売店が廃車にした車は、中古部品や資源として再利用されています。
2.廃車されずに海外へ輸出される
ディーラーや中古車販売店で廃車として引き取られた車でも、すべての車がスクラップ(解体)されるわけではありません。
一時抹消登録をして、海外へ輸出し転売するケースも多くあります。
一時抹消登録とは?
一時抹消登録とは、一時的に自動車の使用を中止する場合に行う手続きです。
一時的に車の登録を抹消するだけなので、再度新規登録を行えばまた公道で走行する事が可能になります。
手続きを行う場所は運輸支局になり、車検証やナンバープレートを返納し、以下のような流れで手続きをします。
- 運輸支局で用紙の入手・作成
- ナンバープレートの返却
- 運輸支局窓口に必要書類を提出
- 登録識別情報等通知書の交付
- 運輸支局内の税申告窓口に自動車税・自動車取得税申告書・登録識別情報等通知書を提出
- 一時抹消登録完了
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日本車は海外では評価が高く、国内では値段の付かないようなボロボロの車でも、走行に問題がなければ海外では需要があるのです。
特に、ハイエースなどのバン系の車種は海外では人気が高いと言われています。
しかしディーラーに下取りに出した場合、ディーラーはあくまで新車の販売がメインであり、再販ルートは少なく、中古車オークションで再販するのが一般的です。
ですから、そのまま海外へ輸出されるのではなく、中古車オークションで競り落とされた車が、海外へ輸出されるという事になります。
中古車販売店に下取りに出した場合は、その販売店に海外への輸出ルートがあり、海外での需要がある車なら、一時抹消登録した車をそのまま海外へ輸出される事もあるようです。
3.解体されて部品ごとにオークションなどで販売される
ディーラーや中古車販売店が、直接車を解体して部品として販売する事は、まず無いと考えていいでしょう。
ディーラーや中古車販売店で廃車として引き取られた車は、オークションへの出品による再販で利益を得ているケースが最も多いと言えます。
ですから、ディーラーや中古車販売店がオークションで再販した車が、その後オークションで買い取られ、バラされてパーツとして再販されています。
損傷が激しい車や不動車など車の状態が悪い場合は、解体してパーツとして販売されている場合が多いでしょう。
動かない車でも、部品として使えるものも残っているので、パーツとして売ると利益を得る事が出来ます。
自動車の部品の中には壊れにくい部品も多く、中古の部品であっても十分に性能を発揮できる物があります。
また、日本では使われない物も海外では使われる場合もあり、海外へ輸出される部品もあります。
日本車は車体そのものだけではなく、部品の性能も高く評価されているようです。
本当に廃車された?下取り後の愛車の行方を知る方法
下取りに出した車が、すべて永久抹消登録(廃車)になる訳ではなく、廃車として引き取られた自分の愛車は、本当に廃車(解体)されているか?は気になる所です。
そんな気になる愛車の処理状況を調べる方法についてご紹介します。
使用済み自動車の処理状況が分かるサイト
廃車(解体)として引き取られた使用済み自動車が、今どのようになっているかを確認する方法があります。
WEBサイトの自動車リサイクルシステムで必要事項を入力し検索すると、現在の処理状況を確認する事ができます。
自動車リサイクルシステム
≪出典:自動車リサイクルシステム≫
使用済み自動車の処理状況を検索するには、「引取証明書」などの書類が必要です。
自動車リサイクル券とセットになっている書類で、リサイクル券の下半分が引取証明書になります。
「引取証明書」が無い場合でも、「車検証」・「自賠責保険証明書」・「自動車保険証券」のいずれがの書類があれば、検索する事が出来ます。
以下の自動車ユーザーのページの、「使用済自動車処理状況検索」から車両情報の入力を行い、「検索」ボタンを押せば現在の車の処理状況が表示されます。
≪出典:自動車リサイクルシステム≫
このように、簡単に車の処理状況を調べる事ができます。
大切に乗ってきた愛車がちゃんと手続きされているのか、自分でもしっかりと確認しておく事も大切です。
廃車の確認が取れない場合は?
もし、廃車の確認が取れないという場合は、下取りに出したディーラーや販売店に直接連絡して確認しましょう。
一時抹消登録での廃車になっている場合は、再販されている可能性がありますが、廃車の証明書があるはずです。
永久抹消登録での廃車になっている場合は、解体証明書があるはずですので、本当にちゃんと廃車になっているのかを確認する事が出来ます。
廃車の手続きがきちんと完了しているかを確認する事は重要です。
トラブルに巻き込まれない為にも、廃車が完了したという証明書は手に入れておきたいものです。
今回は、廃車として引き取られた車がその後どのようになるのかについて、まとめてみましたがいかがでしたか?
廃車といっても、手続き方法の違いによって愛車のその後の過程にも違いがあり、中古車や部品として再利用されている場合もあります。
ディーラーや中古車販売店などに下取りに出した場合は、後でトラブルにならない為にも、どちらの手続きによって廃車になるのかを明確にしておく事も大切です。
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