残価設定ローンの最終回の支払い!5年後は乗り換え?返却?買取?
残価分を最終支払いまで残しておくことで、一般的なローンに比べ月々の支払い額を抑えることができる残価設定ローン、このいわゆる残クレは近年様々な販売店で力を入れており、各販売会社の営業マンも熱心に勧めているようです。
そんな残価設定ローンですが分かりづらい部分や不安に感じるところも多いようで、以下の様な疑問を持っている人も少なくありません。
● 「残価設定ローンが最終回迎えたらどうするの?支払い方法は?」
● 「残価設定ローンで乗り換えようかな?でもメリットってある?」
● 「残価設定ローンの5年後はどうなる?返却した方がいいの?」
● 「残価設定ローン最終回迎えたら買取がベスト?どんな手続きが必要?」
もしかするとあなたも同じような悩みや疑問を持ち、当ページにご訪問頂いたのではないでしょうか?
そこで今回は、『残価設定ローンの最終回の支払』と題して、最終回を迎えた時の悩みなどをメインにまとめていきたいと思います。
もちろん、残クレが終わる3年後や5年後の乗り換えや返却、そして買取などの気になるポイントに関してもご紹介していますので残価設定ローンに興味がある方は、是非チェックしてみてくださいね。
残価設定ローンの最終回(3年後や5年後)の支払方法!
残価設定ローンというのは、総支払額全てを返済することを目的とした一般的なローンではありません。
基本的に支払い期間はどのディーラーでも3〜5年、返済可能な毎月の支払額を設定し据置きした金額は最終回にいくつかの方法を選んで支払います。
≪出典:株式会社日産フィナンシャルサービス 残価設定型クレジットとは≫
上の画像のように3年後や5年後に選べるのは『乗り換え・返却・買取』の3つの方法です。
まずはこの3つの支払方法について詳しく説明していきたいと思います。
車を乗り換える
残価設定ローン契約をすると、3年後や5年後に発生する最終回支払(残価分)を清算し今乗っている車を下取りに出すことができます。
乗り換えるタイミングについてはディーラーごとに若干違いますが、最終回支払いが発生する1ヵ月前がほとんどです。
車に問題がなければ最終回支払いは0円です。
しかも3年契約の場合は初回車検を受けることなく乗り換えられるので車検代がかからないといったメリットも出てきます。
3年、5年どちらを選択しても予め残価(下取額)が決定しているので、乗り換えを検討している人は次の車を選びやすいかもしれません。
車を返却する
3年後、5年後、いよいよ迎えるローン最終回、『もうこの車は必要ないかな・・・』と考える人もいるでしょう。
残価設定ローン最終回にはいくつかの選択肢があります。その一つが『返却』、自分が購入したのに返却という表現は何か不思議な感じがしますよね。
しかし、残価設定ローンというのは簡単に説明すれば個人向けリースのようなもの、一定の条件をクリアしていればお金がかかることなく車を返却することが可能です。
車を買い取る
残価設定ローンは短期間で新しい車に乗り換え続けていきたい方にオススメの方法ですが、中には残価設定ローンを契約中の車を契約期間終了後も乗り続けたいと思うこともあります。
上記のように、残価設定ローンの最終回支払いの際には名義変更して「車を買い取る」という選択も可能ですので、その車を乗り続けることもできます。
ただし、車を買い上げる場合は、予め毎月のローンを少なくするために設定した残価分の支払いを行うことになります。
残価設定ローンを組むと3年契約、5年契約関係なく最初から毎月のローン支払額と同時に残価額も提示されます。
例
※各ディーラーによって書式は異なります
その残価額を一括もしくは再度ローンを組むなどして支払うことが出来れば買い取ることもできます。
このように残価設定ローン(残クレ)には、乗り換え、返却、買い取るの3つの選択肢が用意されています。
さて、あなたはどの方法を選択しますか?いきなり選ぶのも大変だと思うので、まずは各方法の特徴やポイントを整理していきましょう。
残クレで乗り換えを検討している人が気になるポイント!
残クレを契約して選べる選択肢は3つあります。その中の一つが『乗り換え』、残クレで購入した車から、また新しい車への乗り換えができます。
もしかすると当ページにご訪問頂いたあなたも乗り換えを検討してたかもしれませんね。
そこで乗り換えする時の気になるポイントについて詳しくまとめてみました。
乗り換える場合の注意点
残クレ(残価設定ローン)に申し込んで支払い最終回を迎えれば、今乗っている車から他の車に乗り換えることができます。
しかし、わずか3年や5年で新しい車に乗り換える場合は同一メーカーでないといけませんし、メーカーによっては「同一販売店での乗り換え」という条件が加わる場合もあります。
また、残価分の支払いが不要といっても以下の様な場合は別途清算金が必要となります。
● 規定を超えた走行距離がある
● 車のボディや内装が損傷している
● 違法改造をしている
● 指定工場で点検や整備を受けていない
こうした基準は各社で設定していますので、残価設定ローンをご利用の際は事前に確認しておくことが大切です。
参考までに当サイトスタッフがトヨタ車を残クレで購入した際にもらった特約書には、
※上記画像は当サイトスタッフの『最終回支払に関する特約書』の一部です
こう定められていました。当サイトスタッフの場合、購入した車は5年ローンで契約し走行距離は月1,000q設定ですから60,000q以内の走行じゃないと最終回支払金額で引き取ってもらうことはできません。
乗り換える時には今の車を手放したうえで乗り換えることになります。
そして、その金額が下取り額になってくるので契約した内容をよく確認しておきましょう。
参考までに日産自動車の公式ページに掲載されている残価保証の条件(走行距離)もご紹介しておきます。
≪出典:日産 残価設定型クレジット≫
乗り換える場合のメリット・デメリット
ここまでお読みいただいたのであれば何となく乗り換えや買い替えに関するメリットとデメリットが薄っすらと見えてきたのではないでしょうか?
そこでもう一度、メリットとデメリット部分を整理していきたいと思います。
下取りが保証されている
当サイトスタッフの車を例に挙げると、5年後の返却金額(残価)は約28万円となっています。
この金額が安いのかどうかは別として、将来の下取り金額が既に決まっています。
仮に中古車相場の金額が20万円だったとしても28万円、将来の相場に左右されることなく金額が保証されているというのは大きなメリットです。
しかし、将来の中古車査定相場より安かった場合は確実に損するのでデメリットとなってしまいます。
一定周期で新車に乗れる
いつもきれいな新車に乗りたいと思っている人にはメリットに感じるシステムだと思います。
新車を購入する際は返済のことなどを考えてしまいます。しかし、残クレを利用すればローン金額を安く抑えられますし毎回新車に買い替えていくことが可能です。
思い切ってワンランク上の車を購入することも夢ではないでしょう。
ただ、毎回新車に乗れると言っても同じメーカーの車に限られているケースがほとんどです。
もし『次は違うメーカーの車に乗ろう』と考えているなら逆にデメリットになってしまいます。
下取額は絶対保証されているという訳ではない
一方、前項でもご説明した通り走行距離などの一定条件がクリアできなければ当初提示された最終回支払い金額での下取りは叶いません。
下取額が安くなるということは、当然出費が増えてしまいます。
ある程度の制約の中で乗っていかなければならない!ここは残クレの大きなデメリットとなります。
乗り換える場合の手続き
残クレの最終回支払いは原則『貯金口座による現金支払』となっているところがほとんど、そのまま放置しておけば自動的(銀行振替)に支払いが実行されてしまうので注意が必要です。
もし、乗り換えたいというのであれば、車を購入したディーラーに乗り換えする旨を伝えるようにしましょう。
ちなみに当サイトスタッフが利用したトヨタカローラ博多の場合は、
最終回お支払期日の2ヵ月前までにお客様からの申し出があった場合に限り、最終回支払いについて以下の1または2のお取扱をいたします。
※1は取扱販売店へ返却、2は再分割払です。車をディーラーに引き渡すという点では返却と乗り換えは同じです。
このように特約書に記載されていました。
乗り換えることを担当営業マンなどに伝えれば、残金を一括清算してくれると思います。
その後、清算された金額は次の車購入資金となり、新車購入に向けての手続きが進んでいきますが、手続きは各ディーラーで異なるので詳しいことは営業マンに確認しましょう。
もちろん、これまでの流れは全てディーラー内で行う為、全てディーラー営業マンに任せておけば大丈夫です。
残クレで返却を検討している人が気になるポイント!
乗り換えが発生しないので少し流れは異なりますが、基本的にはほぼ同じようなステップを踏んでいくことになると思います。
しかし、返却であっても注意すべき点やメリット・デメリットは必ずあるので、まずはどういった点を注意すべきかチェックしておきましょう。
返却する場合の注意点
購入したディーラーに車を返却すると、基本的に残価分(最終回)の支払いは発生しません。
ただし、返却する際も先ほど画像でご紹介した『自動車を取扱販売店へ返却してご決済』と同じ条件をクリアしておく必要があります。
もし、この条件をクリアしていなかった場合、残価分から相当金額が差し引かれ追加料金を請求されるので注意が必要です。
実際にどれくらいの金額が引かれてしまうのかというと、
● 走行距離は1kmにつき5円
● 査定減点1点超過につき1,000円
※上記内容は当サイトスタッフの契約書内容です
『1kmでたった5円か!』と油断してはいけませんよ。残クレを契約する時は、月1,000qや1,500qなど予め走行距離を決めておきます。
実際、車を日常的に使用している人なら分かると思いますが、頻繁に旅行などで使えば月1,000qくらいは簡単にオーバーしてしまうこともあるので契約する際は注意しておきましょう。
返却する場合のメリット・デメリット
もう車に乗る予定がない人などは返却を選ぶと思います。ただ、返却に関してもメリットとデメリットは存在するので、最終回を迎える前に把握しておくべきです。
短期間しか乗らない人には最適
例えば『通勤で車を使わなくなった』などの理由で短期間限定の使用なら月々のローンが安いので大きなメリットを感じると思います。
レンタカーやリースと同じように必要な時に使って返却すれば、今後維持費もかかりません。
ですが、使用期間中に、
● 車を改造する
● 事故を起こす
● 車内を汚してしまう
● 契約した走行距離以上に走ってしまう
といった行為はNGです。
前述の通り、返却の査定価格が低くなってしまうと追加支払いが発生しますので短期間だからと思って粗く扱わないように心がけましょう。
距離超過・査定減点分は支払いが発生する
乗り換えの時と同じように、条件をクリアしていない限り残価分は保証されません。
走行距離超過、事故歴などの状態によっては支払いが発生する可能性もあります。
通常、ディーラーの下取りは新車購入が前提となってきますが、残価設定ローンの場合は『返却』なので条件さえクリアしてしまえば契約時に決めた金額で引き取ってくれるというメリットもあります。
しかし、条件がクリアできない場合は、デメリットになることを忘れてはいけません。
中古車査定相場より安くなるかも?
購入時に決めた金額が将来中古車査定相場と同等になるとは限りません。
車の人気度などによっては大幅に安い引取額になることもあります。
特にディーラーの下取りは一般的に中古車査定相場よりも安いと言われていますので、その時の中古車査定相場次第では残価分を支払って買い取り、その後中古車として買取専門店や車一括査定などを利用し売却した方が得する可能性があります。
返却する場合の手続き
残価設定ローンの最終回に関しては各ディーラーで対応が若干異なります。
当スタッフが利用しているトヨタカローラ博多の契約書には『2ヵ月前に申し出る』と記載されていますが、他のディーラーの場合は郵送になっていました。
メーカー及びディーラー | 最終回についての通知方法 |
---|---|
マツダ | 支払方法を3ヵ月前に郵送、1ヵ月前に決定 |
ホンダ | 8ヵ月前、4ヵ月前に支払方法選択書面を郵送 |
この郵送された書面を確認し選択することで最終決定になります。
そしてディーラーによって現車確認(査定)され、減点などがなければ最終回支払いがなくなり、減点等が発生した場合は差額分を支払って返却が完了します。
もちろん、その後の手続きはディーラーが主導して進めてくれるので比較的簡単に手続きが完了すると思います。
残クレで買取を検討している人が気になるポイント!
残価設定ローンを利用すると、走行距離などの条件により追加で支払うケースが出てきてしまいます。
そうなれば『買取りを選んでも同じなんだろうか?』という疑問が湧いてきますよね。
結論から申し上げれば最終回で追加支払いが発生するのは乗り換えや返却のみ!買取の場合は追加支払いなどは一切ありません。
ただ、買取を選んだからと言ってメリットばかりとは限りませんよ。注意点やデメリットもあるので損しないようにしてください。
買い取る場合の注意点
残価設定分の支払いは、『一括払い/再分割払い(再ローン)』のいずれかから選ぶことができます。もし一括払いが可能なようなら、そちらをオススメいたします。
再分割払いを選びますと、残価分に新たに金利が発生し、二重で金利を負担することになるためです。
残価設定ローンを組む時の金利は3〜4%くらいに設定しているディーラーが多いようですが、再ローン(再分割払)を組むと5〜6%程度に上がってしまいます。
実際、当サイトスタッフが契約した残価設定ローン(残クレ)は以下の通り、
支払回数 | 適用される実質年率 |
---|---|
1回〜59回 | 3.9% |
60回目(最終回) | 5.5% |
残価設定ローンの再ローンは実質年率は5.5%、今現在の金利は3.9%なので最終回分を再ローンにすると1.6%分多く支払う計算になってしまいます。
勘違いしやすい部分なのですが、残価設定ローンでは残価分がローンから差し引かれているわけではありません。
あくまでも最終回の支払いまでに残価分が据え置かれているだけのことであって、残価分にも金利が発生しています。
このため、残価設定ローンの残りを再分割払いすることで金利面での負担が増えてしまい結果として総支払額も増えてしまうのです。
最初から残価分を分割払いにするつもりなら
上記にもあったように、残価設定ローンの最終回支払い時に『残価分の再分割払い』を選ぶと、二重で金利を負担することになってしまいます。
ですから最初から残価分を再分割払いするつもりであれば、残価設定ローンではなく一般的なカーローンを契約したほうが総支払額が安く済む可能性が高いです。
また、一括払いを選ぶにしても3年後、4年後、5年後にどうなっているかは誰にもわかりません。
その間に結婚や入院などでまとまった出費が発生することもありますから、そうなると一括払いの予定が崩れてしまいます。
一方、当初から
● 短期間で車を乗り換えたい
● 常に最新の車を運転していたい
と考えている人なら車を買い上げる予定がないため、残価分の支払いについては心配する必要がありません。
ただそういう場合でも走行距離が多いと最終回支払いの際に別途精算金が発生する可能性がありますので、車好きで趣味が長距離ドライブという人は注意が必要です。
買い取る場合のメリット・デメリット
次は買い取る場合のメリットとデメリットについてまとめていきたいと思います。
本来であれば、最終回に一括支払いするシステムなので『この車をずっと乗りたい!』と考えている人にはメリットを感じるはずです。
しかし、最終回の支払う金額や支払い方法を間違えると一転、デメリットに感じることもあるかもしれません。
同じ車を乗り続けられる
買取りを選択して、最終回支払いが完了すれば車はあなたのものとなります。
この先、いくら走っても問題ありませんから、好きなだけ乗り続けることが可能です。
車に愛着を持っている人、長く乗って元を取りたいと思っている人、そして思っていた以上に今の車を気に入った人などには大きなメリットです。
口座にお金を入金しておく必要がある
毎月定額でローンを支払っていくと3年後、5年後には最終回支払いが訪れます。
そして、その金額は大きく3年型ローンなら新車価格の50%前後、5年型なら20〜40%くらいに達します。
単純に300万円の車を3年型の残価設定ローンにすると最終回支払いは150万円(金利などは含めていません)です。
車を安いローンで乗れたとしても、貯金がなければローンと並行してお金を貯めていくことになります。
もし、最終回分の貯金が生活費を削ってくるならデメリットになってしまいます。
総支払額が高くなる可能性がある
買取りを選択すると据え置き分の残価を一括で支払わなければいけませんが、その金額は通常のディーラーローンより高くなる傾向にあります。
確かに残価設定ローン(残クレ)には毎月の支払いが安くなるというメリットがあるでしょう。
しかし、それは残価を差し引いた金額の支払いを3年もしくは5年かけているだけで据え置き分(残価)はしっかり残されているのです。
そしてこの残価にも金利はかかっており結果的に高い傾向になってしまうという訳です。
買い取る場合の手続き
買い取りする場合は、残価を支払い名義変更します。名義変更の手続きは非常に面倒ですが、手続きはディーラーが代行してくれると思います。
手続き方法に関してはどのディーラー公式サイトも詳しく説明していません。
どういった流れで買い取りを進めるのかを知りたい時は直接ディーラー担当者に問い合わせた方が正確な情報を得られると思います。
ただし、ここで一つ注意すべき点があります。一括払いすれば手続完了次第あなた所有になりますが、再ローンを組んだ時には再ローン終了まではディーラーが所有者です。
さて今回は、『残価設定ローンの最終回支払』と題して乗り換えや返却、そして買取などについて、たっぷりと情報をお届けしてきました。
ご覧のように、残価設定ローンでは最終回支払い時にどうするかを自分で選択する必要があります。
このため、最終回支払いが近づいてくるとその選択についての案内が届きます。
当初は車を乗り換えるつもりでいた人も、気が変わって車を買い上げたくなる可能性もあります。
ですからその際には、どういった選択をするのかを一度じっくりと考えることが大切です。
例えば、いくら残価分を再分割払いするのは損だからといって、無理に一括で支払うようなことがあってはそれも良くありませんから、その時のライフスタイルや経済状況などに応じて最適な選択をしていくようにしましょう。
今回のこうした情報が、あなたのカーライフのお役に立つものであれば幸いです。