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車を持たないことが得になるかどうかは、住んでいる場所と、車に乗る回数で決まります。
日本自動車工業会の2025年度の調査では、四輪車を持たない世帯は全体の2割台半ばで、首都圏では4割強でした。

都内で暮らしていて、車に乗るのは週末に少しだけです。駐車場代や保険料を考えると、手放したほうが賢いのか迷っています。

手放して得になるかどうかは、今の車にかかっている金額と、代わりの移動にかかる金額を並べれば判断できます。公的な数字を使って順番に確かめましょう。
📌 この記事でわかること
● 車を持たない世帯の割合と、持たない理由
● 都市部と地方で事情がどう違うのか
● 一人暮らし・独身で車を持たない人の割合
● 税金や保険など、持つだけでかかる費用
● カーシェアの料金と、向いている使い方
● 車を手放すときに戻る税金と、保険の等級の残し方
● 手放すかどうかを決めるときの判断の軸
「車を持たない」は賢い選択?注目される理由とその背景


車を持たない世帯は都市部に多く、理由の上位は維持費です。まずは調査で分かっている事実から見ていきます。
数字は、日本自動車工業会が2年ごとに行っている乗用車市場動向調査(2025年度)を使います。
この回から訪問調査がWEB調査に変わったため、以前と比べて増えたか減ったかは判断できません。
クルマなし生活で得られる意外なメリットとは

一番のメリットは、乗らなくてもかかる固定の費用が無くなることです。
自工会の調査では、車を持つ世帯の4割弱が、車にかかる費用全体を「負担が大きい」と感じています。
| 費用 | 負担が大きいと感じている人の割合 |
|---|---|
| 車検代 | 7割台半ば |
| 任意保険料 | 7割強 |
| 自動車税・自動車重量税・燃料代・自賠責保険料 | それぞれ6割以上 |
駐車場を借りている人は、その契約も要らなくなります。車検や保険の更新といった手続きの手間も無くなります。
あえて車を持たない人が増えている理由

「増えている」と言い切れる公的なデータは、今回確認できませんでした。
調査で分かっているのは、持たない世帯の割合と、その理由です。
| 対象 | 持たない理由の上位 |
|---|---|
| 四輪車を持たない世帯の全体 | ガソリン代や駐車場代が負担19%、車検費用が負担17% |
| 以前は持っていて、手放した世帯 | 使う回数が減った31% |
| 高齢期の世帯 | 高齢・病気・体力の理由25% |
カーシェアリングの会員数は、2026年3月の調査で約539万人、車両は85,312台です。
都市部では車を手放すほうが快適?

都市部では、車を持たない世帯は珍しくありません。乗用車を持つ世帯は、首都圏で6割弱、地方圏で8割弱です。
首都圏の周辺部では、持たない理由として「ガソリン代や駐車場代が負担」を挙げる人が、全体より多くなっています。
快適かどうかは人によりますが、駅やバス停が近く、買い物が徒歩圏で済む場所なら、車が無くても日常の用事はこなせます。
駐車場代は地域の差が大きいので、自分の契約額で考えることをおすすめします。
地方でも車がなくても暮らせるケースはある?

地方圏でも、四輪車を持たない世帯は2割あります。
ただし乗用車を持つ世帯は8割弱で、そのうち2台以上を持つ世帯が3割台半ばを占めます。
公共交通は細くなっています。国土交通省の資料では、2008年度から2023年度までに、路線バスは約23,193km、鉄軌道は約632.9kmが廃止されました。
地方で車を持たずに暮らせるのは、駅・病院・スーパーが徒歩や自転車の範囲にそろっている場所に限られます。
コミュニティバスや乗合タクシーがあるかどうかは、住んでいる市町村のサイトで確かめられます。
移動手段としての代替案をどう選ぶ?

代わりの移動手段は、使う場面ごとに分けて考えると選びやすくなります。
| 場面 | 手段 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 通勤・通学 | 電車・バス | 定期代と、最終便の時刻 |
| 近所の買い物 | 徒歩・自転車 | 雨の日や荷物が多い日の方法 |
| 週末の買い出し・送り迎え | カーシェア | 近くのステーションと、予約の取りやすさ |
| 旅行・帰省 | レンタカー | 混む時期の料金と、営業所の営業時間 |
自工会の調査で、車を主に運転していない若い社会人に聞いた結果では、使ったことのあるサービスはレンタカー33%、タクシー配車22%、カーシェア17%でした。
車を持たないライフスタイルが合う人・合わない人

合うかどうかは、車に乗る回数と、代わりの手段が近くにあるかで分かれます。
| 合いやすい人 | 合いにくい人 |
|---|---|
| 駅やバス停が近く、通勤に車を使わない | 通勤や仕事で毎日車を使う |
| 車に乗るのが月に数回 | 子どもの送り迎えや通院で週に何度も使う |
| 近くにカーシェアのステーションがある | 最寄りのステーションや営業所が遠い |
| 駐車場を月極で借りている | 自宅に駐車場があり、費用がかからない |
自工会の調査では、車を毎日使う人は2割台半ばでした。
使う回数が少ない人ほど、持たない選択が現実的になります。
一人暮らし・独身なら車はいらない?
39歳以下の一人暮らしでは、車を持たない人のほうが多くなっています。
日本自動車工業会の2025年度の調査では、39歳以下の単身者の乗用車保有率は45.8%で、四輪車を持たない割合は52%でした。
| 世帯の区分(2025年度) | 乗用車の保有率 |
|---|---|
| 全体 | 71.9% |
| 39歳以下の単身者 | 45.8% |
| 子どもが未就学児、または39歳以下で子どもがいない世帯 | 77.1% |
39歳以下の単身者で持たない人の理由は、「ガソリン代や駐車場代が負担」が19%、「車検費用が負担」と「自動車税が負担」がそれぞれ15%でした。
一方で「特にない」も44%あり、必要を感じないから持っていない人が多いことが分かります。
静岡県から神奈川県の東横線沿い(駅から徒歩10分)へ引っ越す人が、都会では車が要らないのか尋ねた質問です(2025年5月の投稿)。ベストアンサーは、一人暮らしなら車なしでも問題ないが、坂道や郊外の大型店への買い物では車があると便利で、家族の世帯の多くは車を持っていると説明し、品川区周辺に住む回答者からは、駐車場が月7万円ほどするのでカーシェアを使っているという声もありました。
「車なしはきつい・みじめ」と感じるのはどんなとき?
車が無くて不便だと感じやすいのは、駅から離れた場所へ行くときや、運転そのものを楽しみたいときです。
車が当たり前の地域から都市部へ移った人ほど、この差を大きく感じます。
愛知県出身の人が、東京で車を持たない生活は郊外へのドライブや連休の遠出に不便ではないかと尋ねた質問です(2023年9月の投稿)。都内で育った回答者は、日常の買い物は徒歩圏のスーパーと電車で足り、大きな買い物は配送にして、運転したいときはレンタカーやカーシェアを使えばよいと答え、駐車場代などの維持費を考えるとタクシーを使うほうが安く済むという回答もありました。
不便を感じる場面は、次のように手段を決めておくと減らせます。
● 運転したい日や遠出の日だけ、カーシェアやレンタカーを予約する
● 家具や重い荷物は、店の配送やネットスーパーを使う
● 駅から遠い温泉や観光地は、送迎バスやバスツアーがあるか調べる
● 子どもの送り迎えや通院など、代わりが利かない用事が多いなら持つほうを選ぶ
判断の基準は周りの目ではなく、自分の用事を無理なくこなせるかどうかです。
車を売る・乗り換える予定がある方へ
査定サービスは、連絡が来る社数(1社~最大30社)と仕組みがそれぞれ違います。申し込む前に違いを確認しておくと安心です。
車を持たない暮らしを選ぶなら知っておきたい現実と工夫


ここからはお金の話です。金額が決まっている費用と、人によって違う費用を分けると、自分の場合の差額が出せます。
家計調査の数字、税金と保険の公式の額、カーシェアの料金を順に確認します。
年間コストはいくら違う?車なし生活の節約効果

総務省の家計調査では、二人以上の世帯の「自動車等関係費」は月平均28,355円です(2025年)。
12か月分にすると約34万円になります。
これは車を持たない世帯も含めた平均で、車の購入費も入っています。金額が公表されている費用は次のとおりです。
| 費用 | 金額 | 出どころ |
|---|---|---|
| 自動車税(2026年3月までは自動車税種別割) | 1,000cc超1,500cc以下で年30,500円、1,500cc超2,000cc以下で年36,000円(2019年10月以降に新規登録した自家用乗用車) | 総務省 |
| 自賠責保険 | 自家用乗用車・24か月で18,560円(2026年11月1日以降に始まる契約) | 損害保険料率算出機構 |
| 自動車重量税 | 車の重さと年式で決まり、車検のたびに払う | 国土交通省 |
| 任意保険・駐車場・燃料・車検整備 | 年齢・地域・走る距離で大きく違う | 自分の契約と明細 |
差額は、上の表に自分の駐車場代・保険料・燃料代を足して出してください。
車を手放したらお金が貯まる?実体験からわかること

手放して浮く金額は、家庭によって大きく違います。知恵袋の投稿を2件、要約して紹介します。
車が無くても暮らせる街なかに住んでいて、手放すと月に3万円ほど浮く計算だが踏ん切りがつかないという相談です。回答では、いったん手放して1年ほど様子を見て、必要だと感じたらまた買えばよいという意見が寄せられていました(2023年6月の投稿)。
子ども2人の4人家族で、車をやめて電車とバスに替えると交通費がガソリン代の3倍以上になり、自宅に駐車場もあるので節約にならないという投稿です。回答では、駐車場代が高く徒歩圏に店がそろう都市部では節約になるという指摘がありました(2023年1月の投稿)。
2件の違いは、駐車場代がかかっているかどうかと、家族での移動が多いかどうかです。
高所得者ほど車を持たないというのは本当?

「高所得者ほど車を持たない」ことを示す公的なデータは、確認できませんでした。
自工会の調査では反対に、乗用車を持つ世帯の割合は、年収の低い層と独身の層で低くなっています。
年収の高い層に見られる特徴は、持たない理由のほうです。
年収が上位4割に入る世帯では、「レンタカーを利用している」という理由が全体より高くなっています。
カーシェアやレンタカーは本当に便利なのか

短い時間の利用が中心なら、カーシェアは費用を読みやすい手段です。
タイムズカーの料金は次のとおりです(2026年10月6日確認)。
| 項目 | 料金(ベーシッククラス・税込) |
|---|---|
| 月額基本料金 | 880円(個人会員は、その月の利用料金に充てられる) |
| 時間料金 | 15分220円 |
| 最大時間料金 | 6時間まで4,290円、12時間まで5,500円、24時間まで6,600円 |
| 距離料金 | 時間料金で使う場合、20kmを超えた分に1kmあたり20円 |
| ガソリン代・保険料 | 利用料金に含まれる |
注意したいのは、使いたい時間に近くの車が空いているとは限らないことです。
連休やお盆のように利用が重なる時期は、早めに予約を入れましょう。
📎 参考: タイムズカー公式 – 利用料金
車を使わない生活で意識したい交通手段とその活用法

家計調査では、二人以上の世帯の「交通」(鉄道やバスの運賃など)の支出は月平均5,703円です。
自動車等関係費の約5分の1にとどまります。
車を手放すと、この交通費は増えます。増える分を先に見積もっておくと、手放したあとの家計が読めます。
● 通勤・通学の定期代
● 家族で出かけるときの往復の運賃
● 荷物が多い日や雨の日のタクシー代
● カーシェア・レンタカーの利用料
ネットスーパーや宅配を使うと、重い荷物を運ぶ回数を減らせます。
車を手放すときの税金と保険(売却・下取り・廃車)
車をやめると決めたら、値段が付く車は売却か下取り、値段が付かない車は廃車にするのが一般的です。
どちらを選ぶかで、税金が戻るかどうかが変わります。
| 項目 | 売却・下取り(名義変更) | 廃車(抹消登録) |
|---|---|---|
| 自動車税 | 年度の途中で名義を変えても、その年度の1年分は前の所有者にかかる | 抹消登録した月の翌月から月割で減額され、納付済みなら還付される |
| 自動車重量税 | 還付は受けられない | 解体して永久抹消登録(または解体届出)と同時に申請すると、車検の残り期間分が還付される |
自動車税は都道府県の税で、表は東京都主税局の案内によるものです。
売却や下取りの見積もりでは、自動車税の残りの月の分が査定額に含まれているかも確かめてください。
任意保険は、解約するときに「中断証明書」を発行してもらうと、あとで再び車を持ったときに今の等級を引き継げます。
三井住友海上の場合、等級が7~20等級で、廃車や譲渡などで車を手放したことが条件です。
発行の申し出は保険期間の末日の翌日から5年以内で、等級は10年間引き継げます。
条件は保険会社ごとに違うので、解約の前に契約中の保険会社へ確認してください。
車を持つならどう選ぶ?購入や買い替えで後悔しないコツ

計算してみて車が必要だと分かった場合は、買ったあとに毎年かかる費用まで含めて予算を決めます。
● 排気量の小さい車は自動車税が安い(1,000cc以下は年25,000円)
● 重量税は車の重さで決まるので、軽い車ほど負担が小さい
● 任意保険料は車種と年齢条件で変わるので、契約の前に見積もりを取る
● 駐車場代は毎月かかるので、車両価格より先に確かめる
自工会の調査では、保有されている乗用車の4割弱が軽乗用車でした。
今の車を手放して買い替える場合は、下取りと買取の両方で査定額を出してもらい、金額を比べてください。
まとめ:車を持たないことが賢い選択となるかどうかの判断軸

車を持たないことが賢い選択になるのは、車に乗る回数が少なく、代わりの移動手段が近くにある場合です。
● 四輪車を持たない世帯は全体の2割台半ばで、首都圏では4割強
● 39歳以下の単身者は、車を持たない人が5割を超える
● 持たない理由の上位は、ガソリン代・駐車場代と車検費用
● 税金と自賠責は金額が決まっているので、先に計算できる
● カーシェアは15分220円からで、乗った分だけ払う仕組み
● 売却・下取りでは重量税は戻らず、解体して廃車にすると戻る
● 地方は路線の廃止が進んでいるので、住む場所の交通を先に確かめる
手放す前に、今の車に1年でかかっている金額と、手放したあとに増える交通費を書き出して比べてください。
📚 参考文献・出典
・総務省 – 2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります
・損害保険料率算出機構 – 自賠責保険 基準料率届出のご案内(2026年4月30日)
・国税庁 – 使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付申請手続
※ 本記事は上記の公的な調査・公表情報と、出典を示した投稿をもとに作成しています。税額・保険料・料金は改定されることがあるため、最新の金額は各公式サイトで確認してください。
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