アイサイトと他社のシステムを徹底比較!トヨタ、マツダ、ホンダ
「ぶつからないクルマ?」という印象的なキャッチフレーズでも話題となったスバルの「アイサイト」は、運転支援システムの代名詞的なところもありますよね。
ですがこうした運転支援システムは、もちろん各メーカーでも開発が進んでいます。
そんな運転支援システムに対して、以下の様な疑問が出てくることもあるのではないでしょうか。
● 「アイサイトとトヨタの運転支援システムは、どう違うの?」
● 「ホンダのホンダセンシングにはどんな特徴がある?」
● 「マツダの運転支援システムの特徴って?」
そこで今回は、スバル、トヨタ、ホンダ、マツダ各社の運転支援システムの特徴を紹介していきます。
各社の比較をするのにお役立ていただける内容となっていますので、是非チェックしてみてくださいね。
アイサイトの性能を徹底比較!各社のポイントは?
それではさっそく、アイサイトと他社との比較情報をチェックしていきましょう。
スバルアイサイトの特徴や性能、ポイントは?
ステレオカメラ
アイサイトの「眼」となる「ステレオカメラ」は、バージョンアップを重ねるとともに性能が大幅に進化しています。
ステレオカメラは左右2つのカメラからなっており、それらが立体的に車や歩行者、自転車などを把握、識別します。
また、対象までの距離や移動速度などの認識も可能です。
こうした検知システムには、多くのメーカーがレーダーもしくは、レーダーとカメラを併用しています。
一方でスバルの場合は、ステレオカメラだけですべてをコントロールしています。
プリクラッシュブレーキ
プリクラッシュブレーキとは、衝突被害軽減ブレーキのことです。
ステレオカメラで衝突の危険性のある歩行者や前方車両を認識した場合は、警報音と警告表示、そしてブレーキ制御を行います。
アイサイト・ツーリングアシスト
この機能は、前方車両についていくための「全車速追従機能付クルーズコントロール」のことをいいます。
先行車との車間距離を維持するために、減速や停止も自動で行うことができます。
長距離ドライブや渋滞時には、こうした機能の利便性をとくに感じることができるのではないでしょうか。
2017年夏にリリースされたこのアイサイト・ツーリングアシストは、高速道路における自動走行の速度範囲が約0km/h〜120km/hとなっています。
この他にも、アイサイトには「車線逸脱抑制」「後退時自動ブレーキシステム」などの機能があります。
ホンダセンシングの特徴や性能、ポイントは?
衝突軽減ブレーキ
ホンダの安全運転支援システムである「ホンダセンシング」の衝突軽減ブレーキは、先行車や歩行者との衝突回避に役立ちます。
先行車や歩行者の検知には、ミリ波レーダーと単眼カメラが使われています。
そうしたセンサーによって衝突の危険性が検知された場合は、まず音と表示によって警告がなされます。
その時点でドライバーが衝突回避の動作を行えば自動ブレーキはかかりませんが、そうせずに対象とさらに近づいた場合、軽いブレーキングが行われます。
そして衝突の危険が高まると判断された場合には、強いブレーキングが行われます。
このように段階的に衝突回避や被害軽減の支援を行うのが、ホンダセンシングの衝突軽減ブレーキの特徴です。
アダプティブ・クルーズ・コントロール(以下ACC)
ACCは、適切な車間距離を維持するための機能です。
スバルのアイサイト・ツーリングアシストと似たような機能になりますね。
ACCが適用される距離の範囲は、約30km/h〜となっています。
(渋滞追従機能は約0km/h以上)
この他にも、ホンダセンシングには「車線維持支援システム」「標識認識機能」「後方誤発進抑制機能」などの機能があります。
トヨタセーフティセンスの特徴や性能、ポイントは?
自動ブレーキ(プリクラッシュセーフティシステム)
トヨタセーフティセンスには、トヨタセーフティセンスPとトヨタセーフティセンスCがあります。
このうち前者の自動ブレーキには、歩行者検知機能が搭載されています。
2種類のセンサーで、車両のみならず歩行者までも検知し、衝突回避や軽減のサポートを行います。
センサーには、ホンダセンシングと同様、単眼カメラとミリ波レーダーが使われています。
歩行者の検知については、自車速約10km/h〜80km/hの範囲で作動します。
速度差が約30km/h以内であれば、衝突回避のサポートが可能です。
先行車の検知については、自車速約10km/h〜180km/hの範囲で作動します。
速度差が約40km/h以内であれば、衝突回避のサポートが可能です。
追従ドライブ支援機能(レーダークルーズコントロール)
これは、前走車の加速や減速に応じた車間距離を維持し、追従走行を行う運転支援機能です。
この機能の特徴は、約50q/h〜100q/hまでの希望速度を設定することで、一定の速度を維持したまま走行することが可能な点です。
それにより、アクセルを何度も踏んで速度調整をする必要がなくなります。
さらに、自車よりも遅く走っている前走車を検知すれば、減速を行います。
また先行車と近づいた場合は、ブザーにて警告してくれます。
この他トヨタセーフティセンスには、「車線はみ出しアラート」「自動ハイビーム」という機能があります。
なおパッケージの種類によって含まれる機能には違いがあります。
マツダアイアクティブセンス(i-ACTIVSENSE)の特徴や性能、ポイントは?
スマート・シティ・ブレーキ・サポート(以下SCBS)
SCBSは、近赤外線レーザーセンサーによって先行車の検知を行い、衝突のリスクが高いと判断され、ドライバーがブレーキングなどをしなかった場合には自動でブレーキングを行います。
なお、SCBSが適用される速度の範囲は約4〜30km/hで、検知できるのは現状先行車のみとなっています。
マツダレーダークルーズコントロール(以下MRCC)
MRCCは、ミリ波レーダーを用いた走行速度コントロールシステムです。
設定した車速範囲の中で、先行車との車間距離の自動調整、維持を行います。
この他、アイアクティブセンスには「ハイビームコントロール」「AT誤発進制御」などの機能があります。
アイサイトと他社システムの詳細を比較!
上記のように、各メーカーの運転支援システムは一見するとどれも似たようなものになっています。
いずれも「衝突の危険を回避もしくは被害を軽減すること」「適切な車間距離を維持すること」などが共通目的となっているので、どうしてもシステムの内容は似てきます。
ただ、作動条件等の細かな部分には以下の様に違いがあります。
衝突被害軽減ブレーキ
アイサイト
- 歩行者、先行車を認識。
- 先行車との速度差が約50km/h以下であれば衝突回避、もしくは被害の軽減が可能。(ver.3)
ホンダセンシング
- 歩行者、先行車を認識。
- 先行車との速度差が約5km/h以上であれば衝突回避、もしくは被害の軽減が可能。
トヨタセーフティセンス
- 歩行者、先行車を認識。(トヨタセーフティセンスP)
- 自車速が約10km/h〜80km/h、速度差が約30km/h以内なら歩行者との衝突回避をサポート。
- 自車速が約10km/h〜180km/h、速度差が約40km/h以内なら先行車との衝突回避をサポート。
アイアクティブセンス
- 先行車を認識。
- 約4〜30km/hでの低速走行中に作動。
追従ドライブ支援機能
アイサイト(アイサイト・ツーリングアシスト)
- 約0km/h〜120km/hの車速域に対応。
- アクセル、ブレーキ以外に、ハンドル操作まで自動運転支援の幅が広がる。
ホンダセンシング(アダクティブ・クルーズ・コントロール)
- 約30km/h以上で作動。
- 渋滞追従機能は約0km/h以上で作動。
トヨタセーフティセンス(レーダークルーズコントロール/トヨタセーフティセンスP)
- 約50q/h〜100q/hの範囲で希望速度の設定が可能。
- 自車より遅い先行車に対しては減速、先行車に近づいた場合はブザーで知らせてくれる。
アイアクティブセンス(マツダレーダークルーズコントロール)
- 公式サイト上では速度域の記載なし。
2017夏の新型モデルから搭載が始まった「アイサイト・ツーリングアシスト」の登場により、追従ドライブ支援機能の分野でもスバルのアイサイトが注目株となりそうです。
アクセル、ブレーキのほか、ハンドル制御までも自動運転の対象となったことで、「前の車についていく」だけでなく「前の車についていき、カーブも自動運転で曲がる」ということが可能になったわけですからね。
さて今回は、スバルのアイサイトと、トヨタ、ホンダ、マツダ各社の運転支援システムの比較を行ってまいりました。
何か参考にしていただける内容があれば幸いです。